ゆうやんのアトランタ路地裏ブログ

Magic: The Gatheringの大会参加レポやデッキガイドなど

【スタンダード】青白コントロール【デッキガイド】

今回は、グランプリ・シンガポールで使用した青白コントロールのお話になります。

最初に本戦の結果をお話しますと、初日は7勝1敗、2日目は3勝3敗1分で、トータル10勝4敗1分で40位ぐらいでした。
青白コントロールを使用した経緯とデッキリストの紹介、主要マッチアップのサイドボーディングなんかを、ご紹介していきたいと思います。


デッキリスト
8《平地/Plains》
5《島/Island》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress
4《灌漑農地/Irrigated Farmland》
2《イプヌの細流/Ipnu Rivulet》
2《天才の記念像/Memorial to Genius》
2《廃墟の地/Field of Ruin》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
4《不許可/Disallow》
4《封じ込め/Seal Away》
4《排斥/Cast Out》
3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
2《燻蒸/Fumigate》
2《中略/Syncopate》
2《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
2《本質の散乱/Essence Scatter》
1《副陽の接近/Approach of the Second Sun》
1《否認/Negate》
1《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》
1《霊気溶融/Aether Meltdown》


サイド
3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
3《空中対応員/Aerial Responder》
2《否認/Negate》
2《歩行バリスタ/Walking Balista》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
1《神聖の発動/Invoke the Divine》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》



■青白コントロールに至るまで
前にもこのブログで青白コントロールについて書きましたが、環境初陣戦が終わって少ししてから、僕は青白コントロールからはしばらく離れていました。
一旦、スタンダード最強のカードとお別れを果たしたのです。

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というのも、チームスタンダードのRPTQがあり、そのための調整をしなければならなかったのです。既にチームメンバーに青白を使いたい人がいたため、僕はサードデッキを日々模索していました。
結果的には僕が使用したのは赤単、チームは5-1から最終戦でID出来ずに負けと、悔しい内容に終わりましたが、それはまた別の話。

サードデッキを探していく上で、僕はこのスタンダードにおける一つの答えを見つけました。
それは、「《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》が青白コントロールの立場を確立していること」でした。

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【鎖が回れば、桶屋が儲かる】
順を追って説明しましょう。
青白コントロールの肝となるカードは、後述しますが《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》です。

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《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》は簡単に言ってしまうと、「3マナのプレインズウォーカーにも関わらず、1度生き残ってターンが帰ってきたらそのままゲームに勝利できてしまう」恐ろしいカードです。ドミナリアに舞い降りた《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と言って良いでしょう。
とはいっても、通常、プレインズウォーカーは出したターンや返しのアタックで対処されてしまうことがほとんどです。しかし、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》だけは違います。唱えたターンに2枚の土地を起こすことができるので、相手の《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》への猛攻をしのぐことができるのです。《封じ込め/Seal Away》や《一瞬/Blink of an Eye》との相性が良いのは皆さん、ご存知ですよね。
つまり、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を対処するには「1体の大型クリーチャー」ではなく「小粒な沢山のクリーチャー」が望ましいのです。
しかし、今のスタンダードでは「小粒な沢山のクリーチャー」は減少傾向にあります。赤単からは《ボーマットの急使/Bomat Courier》すら3枚になっている場合もあるぐらいですし、一昔前のスタンダードを賑わせた《秘密の備蓄品/Hidden Stockpile》はその影すらありません。

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そう、すべては《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の所業なのです。
《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》を1枚で対処してしまえるため、それらのカードをプレイすることを躊躇わせるだけでなく、トークンをばらまくカードを環境から締め出してしまいました。
そしてその《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の圧力により、「《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を5ターン目に唱えてそのまま生き残らせる」という青白コントロールの勝ちパターンを容易に作り出せるようになったのです。

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《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》は、コントロールデッキからすれば3マナ3/3にちょっとしたおまけがついているだけの、大して強くないカードですからね。にもかかわらず、青白コントロールが苦手とするあらゆるカードに睨みを利かせてくれているのですから、こんなに喜ばしいことはありません。


【青白orエスパー?】
さて、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》のおかげで、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》がスタンダードで上手く使えるということはわかってもらえたと思います。
次は、そんな《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》デッキから、どちらを選択するかです。すなわち、青白か、エスパーか。(ちなみにここで言うエスパーとは、青黒tテフェリーのエスパーコントロールです)

青白コントロールの魅力は、何と言っても《残骸の漂着/Settle the Wreckage》と《封じ込め/Seal Away》による対赤単・《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》耐性の高さです。《燻蒸/Fumigate》と合わせてビートダウンデッキに圧倒的な勝率を誇ります。

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一方、エスパーコントロールは《致命的な一押し/Fatal Push》によって《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》を対処できる点と、コントロールに対して《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》・《強迫/Duress》という強力な黒いカードを採用できるのが良い点です。

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つまり、赤系デッキ――とりわけ赤単に対して非常に相性が良いデッキが青白コントロールで、そのコントロールデッキまで見ることのできるのがエスパーコントロールなのです。

そして僕は、エスパーコントロールでの赤単に対しての勝率の低さが非常に不安でした。赤単と赤黒は合わせて50%近く環境に存在してもおかしくないというのが、僕のシンガポールにおけるメタゲーム予想でした。

「赤系デッキに対して有利なデッキを選択したい」
その強い意志で、青白コントロールに決まったのです。


デッキリスト解説
☆メインボード
・4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》

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この青白コントロールで最も強いカードにして、コントロールデッキが「ただ受け続けるだけ」で勝ててしまうという凄まじいカード。
一般的には、「ビートダウンはブン回りが存在するが、コントロールにはそれがない」と言われていますが、その言葉を真っ向から覆してしまうのが《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》。《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を5ターン目に出して、2マナの打ち消しか除去を構えるのが、青白コントロールのブン回りです。

常に5ターン目に出したいカードなので4枚です。



・4《不許可/Disallow》、2《中略/Syncopate》、2《本質の散乱/Essence Scatter》、1《否認/Negate》

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《不許可/Disallow》は3ターン目のアクションとして最も強いので4枚です。とにかく《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を5ターン目に出し、そのまま維持して次のターンを迎えたいため、そのためのお膳立てをしてくれます。
また、6ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を出して《不許可/Disallow》を構える動きも強力です。
《中略/Syncopate》は2ターン目にはほぼ確定カウンター、後半でも腐らない可能性があるカードなので強力なのですが、《残骸の漂着/Settle the Wreckage》との相性を考えてこの枚数です。また、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を出したターンの2マナでは、相手のスペルを打ち消せない可能性があるため、枚数を2に留め、《本質の散乱/Essence Scatter》・《否認/Negate》に散らしています。



・4《封じ込め/Seal Away》、4《排斥/Cast Out》、1《霊気溶融/Aether Meltdown》

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《封じ込め/Seal Away》と《排斥/Cast Out》の枚数は、青白コントロールを組んでからずっと動きませんでした。《封じ込め/Seal Away》は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》との相性が抜群で、何枚でも引きたいカードだと感じました。
《排斥/Cast Out》は4マナと少し重いですが、通ってしまった《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》の対処など、なんだかんだで必要な場面がありました。青白ミラーマッチでも枚数が物を言うので、基本的に腐るマッチは少なく、4枚にしています。

《霊気溶融/Aether Meltdown》は追加の除去で、対処しづらい《悪意の騎士/Knight of Malice》や《キランの真意号/Heart of Kiran》に触れる貴重な除去です。更に《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》からそのまま構えられる2マナと言うのもポイントです。


・3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》、2《燻蒸/Fumigate》

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こちらも最初にデッキを組んだ時から動かず。全体除去の枚数は5枚が最も感触が良かったので、動かすとしたらこの内訳のみでした。ちなみに5枚で感触が良かった理由としては、「全体除去が少なすぎると打ち消し呪文が手札にかさばった時に即敗北となり、全体除去が多すぎると《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》と一緒に手札に溜まって、ブン回りがしづらい」からで、5枚がちょうどよく感じました。
打ち消し呪文がたくさん入っていること、そして《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》との相性で《残骸の漂着/Settle the Wreckage》に軍配が上がりますが、ケアして横並びしてくる相手もいるので、《燻蒸/Fumigate》も強力です。この3・2が最も良い比率だと考えています。



・2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》、2《天才の片鱗/Glimmer of Genius》

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《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》以外のドロー呪文枠です。《天才の片鱗/Glimmer of Genius》は、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》がメインボードに入っていないことで、どんどんと枚数が減っていきました。《天才の片鱗/Glimmer of Genius》を4ターン目に悠々と唱えさせてくれるほどスタンダード環境は甘くありません。
一方の《アズカンタの探索/Search for Azcanta》は、先手2ターン目に張ることもできますし、4ターン目に打ち消しや除去を構えながら設置できたりと、隙の無いドロー呪文です。



・1《副陽の接近/Approach of the Second Sun》

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フィニッシャー枠です。何か1枚はすぐに勝てるカードがほしいので、《副陽の接近/Approach of the Second Sun》にしています。
サイドボード後にコントロール対決を挑んでくる緑黒蛇のような相手に対して非常に強いカードなので、そういった相手のみ2枚目がほしいと感じました。ただ、基本的には重いカードなので、1枚に留めました。



・《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》

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《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》と《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の関係性を説明した時にも言いましたが、今のスタンダードではクリーチャーは横並びになりづらいです。そして《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》は、単体のクリーチャーを対処するのであればその役目を果たしてくれます。
また、プレインズウォーカーに対しての強烈なけん制となり、サイド後のゲームで重宝します。相手の《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を後手で止めながら、相手が4ターン目に出した《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》に殴りに行けるのです。
更に、紋章を得た上で《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》をコントロールしていると、こちらがライブラリーアウトを起こしてもゲームに敗北しないため、コントロールミラーマッチでの勝ち手段にもなります。《副陽の接近/Approach of the Second Sun》に対しても《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》で紋章を得ておけば良いのです。

このように、様々な場面で活躍することから、1枚採用することに決めました。


☆サイドボード
・3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》

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このカードをサイドボードに入れようとは、最初は思っていませんでした。きっかけはGenesisの持ち込んだ青白コントロールでした。
彼らの青白コントロールのサイドボードに3枚入っている《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》は、どんな相手にサイドインするのかわかりませんでしたが、赤黒との対戦で劇的な強さを見せてくれて、答えが出ました。

赤黒との対戦では、相手は《強迫/Duress》や《大災厄/Doomfall》でこちらの全体除去を抜いてきます。その後、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を着地させたり、《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》で除去以上のリソースを獲得したりなど、リソース勝負で勝利を目指そうとしてきます。当初はこれらに対して《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》で勝つプランだったのですが、《大災厄/Doomfall》は手札破壊と除去を兼ねており、なかなか《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》の着地は許してくれませんでした。
ですが、このプレインズウォーカーなどによるリソース勝負に真っ向から立ち向かえるのが《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》でした。《天才の片鱗/Glimmer of Genius》と合わせてサイドインすることでこちらのデッキは重くなりますが、相手もまた、手札破壊をたっぷりと入れていることで、長期ゲームを目指すプランとなっています。相手に合わせてこちらもデッキを重くするだけなのです。
また、一度手札破壊で抜かれた《残骸の漂着/Settle the Wreckage》を《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》で使いまわせるのもミソです。

結果として、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》をサイド後に赤黒に入れるようになってから、相性は劇的に改善しました。もともとメインボードは有利、サイド後に不利と言うマッチだったので、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》でサイド後も難なく取れるようになり、対赤黒はかなり自信が付きました。



・3《空中対応員/Aerial Responder》

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通常であれば《ベナリア史/History of Benalia》が入っているスロットですが、僕は《ベナリア史/History of Benalia》の強さに懐疑的です。

まず第一に、《ベナリア史/History of Benalia》は赤いデッキにサイドインできません。なぜかというと、サイド後に攻勢に出るためにサイドインしたはずなのに、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の前に完全に止まってしまうからです。
第二に、コントロール対決において相手が《悪意の騎士/Knight of Malice》・《善意の騎士/Knight of Grace》を入れていた場合にも、《ベナリア史/History of Benalia》は大して活躍してくれません。一度は8点で攻撃できるでしょうが、その後また盤面は膠着します。サイドボードカードとしてはあまりにも地味です。

一方、《空中対応員/Aerial Responder》はどうでしょうか。
《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》で止まることなく、毎ターンライフを回復できますし、《悪意の騎士/Knight of Malice》とダメージレースをしても有利です。しかも、青白コントロールミラーマッチにおいては相手の《ベナリア史/History of Benalia》を完璧に1枚で封殺してしまえるのです。

練習時はもちろん、シンガポールでもこのカードに救われたゲームが本当に沢山ありました。



・2《歩行バリスタ/Walking Balista》

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《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》を対処するためにサイドに入れています。
他にも《悪意の騎士/Knight of Malice》が入ってくるであろうマッチアップではとりあえずサイドインしたりなど、用途は様々。サイドボーディング中に最も悩む1枚でした。強いカードであるがゆえに、入れたい瞬間が非常に多かったです。
基本的には《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》用と思ってください。



・2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》

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《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》を入れるマッチでサイドインします。予想は出来てもやはり強い、それが《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》。クリーチャーを大量に入れるマッチアップでは結果的に生き残ることもしばしば。
重いカードなので2枚にしています。



・2《否認/Negate》

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インサイド合わせて3枚はほしいと考えています。コントロール対決で重宝する他、赤黒ミッドレンジのようなデッキにはたっぷりと枚数がほしいためです。《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》に対して《最古再誕/The Eldest Reborn》をぶつけられやすいですが、それを《否認/Negate》すればほとんど勝ちです。



・1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》

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《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》と一緒にサイドインします。
手札破壊とプレインズウォーカーで勝とうとしてくる赤黒とのサイド後はゲームが遅くなりがちなので、4ターン目に《天才の片鱗/Glimmer of Genius》を打つ機会に恵まれます。相手も《強迫/Duress》で《天才の片鱗/Glimmer of Genius》を抜きたくなることも多く、つまり強いカードということです。



・《神聖の発動/Invoke the Divine》

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《排斥/Cast Out》や《キランの真意号/Heart of Kiran》、《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》などを対処する1枚。《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》があるので1枚入れておくのとおかないのとでは雲泥の差があります。



・《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》

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《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》や《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》を止めたいです。なので、黒いデッキにサイドインすることが多いですね(黒赤は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》と《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》どちらも入っているので
赤単に対しては《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》以外に止めたいものがないのでサイドインしません。
手札で腐ってしまいがちなので、止めたいカードが2種類以上あるデッキに対してサイドインした方が良いと思います。


■マッチアップ別サイドボーディング・ゲームプラン
【対赤単、赤タッチ黒】
In
3《空中対応員/Aerial Responder》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》

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Out
1《否認/Negate》
4《不許可/Disallow》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》

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☆ゲームプラン
全部さばきます。
ハンデスがないのでメインと同じプランを取ればよく、そのため《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》は入れません。リソース勝負に基本的にならないので《アズカンタの探索/Search for Azcanta》は抜きます。
《火による戦い/Fight with Fire》には注意が必要です。大体最後に手札に残るのが《火による戦い/Fight with Fire》なので、《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》を出す時は慎重に。



【対赤黒アグロ(速い方)、赤黒機体】
In
3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
1《否認/Negate》

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こっちが先手の時は追加で
3《空中対応員/Aerial Responder》

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Out
2《本質の散乱/Essence Scatter》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
2《燻蒸/Fumigate》
2《不許可/Disallow》

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こっちが先手の時は追加で
2《不許可/Disallow》
1《否認/Negate》(つまり《否認/Negate》は先手では増やしません)

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☆ゲームプラン
赤単とあまり変わらないのですが、ハンデスが入ってくる分、プレインズウォーカーの着地を許すことが多いです。ただその分、相手が速度を落とすサイドプランを取っているので、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》が間に合います。
《空中対応員/Aerial Responder》は、後手の時はサイドインしません。
※赤単相手の場合は2/3で止まるクリーチャーが多いから後手で信頼度が高いのに対し、赤黒は《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》など止まらないクリーチャーが多く、《空中対応員/Aerial Responder》の返しの《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》と言う裏目を除いたとしても信頼度が薄いため、先手のみ入れます。



【対赤黒ミッドレンジ】
In
3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
2《否認/Negate》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》

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Out
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《燻蒸/Fumigate》
2《本質の散乱/Essence Scatter》
1《不許可/Disallow》

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☆ゲームプラン
《残骸の漂着/Settle the Wreckage》は死ぬほどケアされる上に、クリティカルに刺さる場面ではハンデスで残されてしまうので、思い切ってすべて抜きます。相手の方が少し早い程度で、ほとんど同じ速度での戦いになるので、それに合わせて打ち消しはほとんど残しています。
《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》がめちゃくちゃ強いマッチアップで、複数枚引けばそのままゲームを決めることになるでしょう。
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》は《最古再誕/The Eldest Reborn》で対処されてしまうので、更地の場で着地させたからといって安心は禁物です。6マナ目と《不許可/Disallow》があるなら1ターン待っても良いと思います。

サイド後は赤黒コントロール対青白コントロールのような戦いになります。



【対緑黒蛇】
In
3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
3《空中対応員/Aerial Responder》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
2《歩行バリスタ/Walking Balista》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》

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Out
4《排斥/Cast Out》
1《霊気溶融/Aether Meltdown》
1《燻蒸/Fumigate》
1《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1《不許可/Disallow》
1《否認/Negate》

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☆ゲームプラン
メインは全除去で楽に勝てますが、サイド後はそれなりにつらい相手。
緑黒コンのように立ち振る舞わられると、こちらの除去が効果的に効きづらいです。なので、サイド後はこちらからプレッシャーをどんどんかけていきます。そのため、《空中対応員/Aerial Responder》まで入れています。《燻蒸/Fumigate》を抜いているのもそのためです。
《排斥/Cast Out》は4マナと重い上に《帰化/Naturalize》・《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》で割られるので全部抜きます。《封じ込め/Seal Away》は《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》に対処できるので許しています。



【対ミラーマッチ】
In
3《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
3《空中対応員/Aerial Responder》
2《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
2《否認/Negate》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
1《神聖の発動/Invoke the Divine》

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Out
3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《燻蒸/Fumigate》
4《封じ込め/Seal Away》
1《排斥/Cast Out》
1《副陽の接近/Approach of the Second Sun》
1《霊気溶融/Aether Meltdown》

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☆ゲームプラン
メインではこちらの《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》が残ると《副陽の接近/Approach of the Second Sun》で相手が勝てなくなります。《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》合戦で負けないという大前提がありますが、それさえ乗り越えれば基本的に勝てます。
サイド後は、相手の《ベナリア史/History of Benalia》がこっちの《空中対応員/Aerial Responder》で完璧に止まるので、リスト勝ちできます。



【対エスパーコン】
In
2《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
3《空中対応員/Aerial Responder》
2《否認/Negate》
2《歩行バリスタ/Walking Balista》
1《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
1《神聖の発動/Invoke the Divine》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》

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Out
3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《燻蒸/Fumigate》
1《副陽の接近/Approach of the Second Sun》
1《霊気溶融/Aether Meltdown》
2《封じ込め/Seal Away》
2《排斥/Cast Out》
1《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》

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☆ゲームプラン
メインはほぼ勝ちです。ライブラリーアウトで勝ちましょう。
サイド後はハンデスと《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》次第になるので、バリスタに頑張ってもらいます。
抜くものがないので《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》は抜いています。これは青白にも共通しているのですが、コントロール相手の《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》はサイド後そこまで強くないです。
というのも、場に残った時のバリューがさほどないからです。プレインズウォーカーをフルタップで出してくるというシチュエーションがサイド後はほとんどないため、あまり効果的ではないのです。



■終わりに
というわけで、青白コントロールの話はこの辺りで終わります。
今回青白コントロールシンガポールで選択するにあたって、一番大きかったのは、《空中対応員/Aerial Responder》と、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》の存在でした。
《空中対応員/Aerial Responder》は、「《ベナリア史/History of Benalia》が大して強くないにもかかわらずミラーマッチで出されるとつらくて、それが嫌だった」というところから思いついた1枚ですが、このカードのおかげで沢山のゲームを制することができました。
Genesisの持ち込んだ青白コントロールのサイドの《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》も大きかったです。赤黒に対して《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》というプランを知っていなければ、間違いなく赤黒に対して勝率がもっと落ちていたでしょうし、シンガポールには持ち込まなかったはずです。

スタンダードでは思い入れのあるデッキというものはなかなかできにくいのですが、今回はドミナリア加入後に作って環境末期のグランプリで使用したとあって、それなりにお気に入りのデッキとなりました。
PPTQや環境名人戦で、ぜひ使用してみてほしいです。何か質問があればお気軽にどうぞ。