ゆうやんのアトランタ路地裏ブログ

Magic: The Gatheringの大会参加レポやデッキガイドなど

RPTQからプロツアーまでの道のり

9年越しの夢だったプロツアークリーブランドが終わって、帰りの機内で今この文章を書いています。
今回は調整に費やした時間は1/15~2/18、ほぼ丸々1ヶ月のお話となります。 
僕の使用したシミックネクサスのリストとサイドボーディングなどはまた別でアップいたします。

 

 

調整メンバー

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プロツアークリーブランドに向けたスタンダードの調整は、まずメンバーを選定するところから始めました。
プロツアー権利保持者のプロプレイヤーの方々の多くは、チームに所属しており、その中で調整するため、そこに入れてもらうのは容易なことではなく、また実力的に迷惑を掛けてしまうのは必然。
とは言っても、プロツアー権利持ちの僕の友人は、そのほとんどがチームシリーズのメンバーの調整チームに所属しています。例えば高尾君は武蔵ですし、井川さんは曲者です。

そんなことを考えていたのが2018年の年の瀬。
そして、話が急激に進んだのは1月の最初の週。

Final Last Samuraiにしてonogamesの木原君と焼肉を食べていた時に、プロツアーの調整メンバーの話を振ってみたところ、「特に決まった調整相手はいない」との返事。
更に木原君と調整することが決まったため、同じFinal Last Samuraiの三原さんにも声をかけると、こちらも快諾。

あっという間にメンバーが二人決まったのですが、ここで問題が発生。

僕はコンボデッキとコントロールが好きで、ビートダウンを使ったことはほとんどありませんでしたし、使ってもだいたい初日落ちでした(GP静岡2018はセレズニアで初日落ち)
木原君は生粋のコントロール好きで、前回のプロツアーでもエスパーコントロールで好成績をあげていました。
三原さんもまた、ビートダウンを使わないプレイヤーとして知られています。

そう、3人ともビートダウンプレイヤーではないのです!

もちろん、三原さんは超一流プレイヤーですし、木原君はゴールドレベル間近(今回のプロツアーでゴールドになりました。おめでとう!)、二人ともビートダウンを回すことはできます。
ですがそれはあくまで調整に付き合う時にビートダウンを回す、という程度。ビートダウンの調整にMOで時間を費やしたり、ブラッシュアップしたり、トーナメントで使用するということはありません。
そしてこれは、調整チームでの明確な問題にもなります。

なぜかというと、ビートダウンプレイヤーがいない調整チームでは、ビートダウンの研究がきちんとなされないからです。
MOやGPなどからコピーデッキを引っ張り出し、本命デッキとの相性やサイドボードプランを模索するためにビートダウンを使う。そのため、ビートダウンのリストは進化することなく、調整チームが好ましいと思うデッキだけが強くなって行きます。
また、強いビートダウンに対しての嗅覚もありません。だからこそ、少し勝っているビートダウンがあったとしても、それを本気で調整しようとは考えません。

調整チームには、ビートダウンを愛するビートダウン担当が必要なのです。


そこで声をかけたのが、Hareruya Hopesの齋藤 慎也さん。齋藤さんは今回のプロツアーの権利はないのですが、その2週間前にRPTQがあるため、時間を割いてくれるだろうと判断して打診。
快く調整チームに齋藤さんが入ってくれて4人。

更にここで、クリーブランドのホテルをまだ取っていない人をツイッターで探していた時に手を挙げてくれたBIG MAGICプロの玉田さんにも、調整チーム入りを打診したところ快諾。
そしてGP名古屋を三原さんと共に戦ったチームメイト、シミチンを加えた6人で、調整チームは始動しました。


 チームの調整方法

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簡単に、チームでの調整方法について書いておきます。

まずメンバーが集まって対戦をする調整は週に1回程度。これはメンバーがほとんど社会人で、かつ玉田さんは関西住みのためです。

なので、平日は個々でMagic OnlineやMagic Arenaでデッキを回します。そしてその結果をスプレッドシートに記載して、雑感などをライングループで話し合います。

スプレッドシートで勝率が高いデッキがあれば、そのデッキを回しているプレイヤーに意見を聞いたりします。が、基本的には各々が好きなデッキを回します。

メンバーが一同に介した際は、それぞれが回しているデッキの他にも、主要デッキは大体持ち込みます。

デッキの相性を確かめたいデッキがあれば対戦(先手5回、後手5回で合計10回)で大体の相性をつかんで、サイドボード後も同じようにゲームをしていきます。

同時にメンバー全員がゲームをすることもあれば、2人のゲームを残りのメンバーで見て指摘しあう時もあります。この指摘はかなり重要だったので、ゲームをする時間とみている時間の二つを常に設けるべきだと感じました。

特に、使いたいデッキが明確にチーム内で定まっている場合などは、この「ゲームを見る」は絶対にやるべきだと思いました。複数人で話し合いながらゲームを見るだけで、十分な経験値となるのです。

毎日メンバーが集まる必要はありませんが、週1ないし2週に1回程度は、メンバーで集まっての調整は必要だと思いました。

集まった時の1時間は、一人で練習する数時間分に匹敵すると言っても過言ではありません。特定のデッキとの相性が良いと思い込んでいただけで実は相手のプレイがいまいちなだけだったり、逆に厳しいと思っていた相手との闘いが、単に自分のプランミスによるものであることもしばしばあります。

さて、チームでの調整方法についてはこんなところにして、実際にRPTQからの歩みについてお話します。

 

RPTQに向けて

まず目先のトーナメントはRPTQ。この時のメタゲームは、まさにスゥルタイ祭り。
押しも押されもせぬトップレア、《ハイドロイド混成体》を得て進化したゴルガリがスゥルタイと名を変えてMOPTQ優勝という華々しいデビューを飾りました。

そのため、まずはスゥルタイを仮想的に定めます。

三原さんとシミチンは本命であるスゥルタイを、木原君は前環境から使っていたエスパーを、玉田さんはイゼットドレイクを、齋藤さんは赤単、僕はバントネクサスと、それぞれが好みのデッキを使って、それぞれMOやアリーナで練習していました。

そしてRPTQ1週間前に僕の家で調整会を行い、個々のデッキのブラッシュアップや相性を正確に確かめることに。
その結果、あまりにも勝率が高いデッキが発覚。なんと勝率85%ほど。

それが玉田さんがずっと使っていたイゼットドレイクでした。

 

 イゼットドレイク

4《硫黄の滝》
4《蒸気孔》
8《島》
6《山》
4《奇怪なドレイク》
4《弾けるドレイク》
4《ショック》
4《溶岩コイル》
4《発見+発散》
4《航路の作成》
4《選択》
3《呪文貫き》
3《潜水》
2《イゼット副長、ラル》
1《幻惑の旋律》
1《標の稲妻》

サイド
4《猛竜の幼生》
2《パルン、ニヴ=ミゼット》
2《否認》
2《幻惑の旋律》
2《軽蔑的な一撃》
1《アズカンタの探索》
1《宝物の地図》
1《絶滅の星》

 

 

なんと《プテラマンダー》なし!

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この時のメタゲームではスゥルタイの次に赤単が多く、《プテラマンダー》は赤単に特にいまいちでした。

スゥルタイに対してはそもそも2種のドレイクを守れば勝てるゲームで、《プテラマンダー》はもちろん弱いカードではないものの、別段必要には感じませんでした。
そこでスゥルタイに対してかなり強力な《イゼット副長、ラル》を入れることにしました。
赤単に対してはやはりいまいちなものの、対スゥルタイでの強さは劇的。またサイドボードの《イゼット副長、ラル》をメインに押し上げられるので、スロットを空けることにもなったのです。

このイゼットドレイクがとにかく強い。赤単とスゥルタイをいとも簡単に倒しました。

赤単に対しては、軽い除去からのドレイク2種が非常に強力です。ドレイクは赤単の火力1枚では除去できずブロッカーとして優秀なのはもちろんのこと、複数体並べれば一撃で相手を屠れます。除去、ドレイク、ドレイクと動けばまず負けません。

スゥルタイにも非常に有利に感じました。《人質取り》は火力で除去できますし、《ヴラスカの侮辱》と《ビビアン・リード》には《潜水》と《呪文貫き》が突き刺さります。
唯一《喪心》だけがドレイクに対処できるカードであり、この時は《喪心》の数は精々2枚程度。ドレイクがほとんどのゲームで残りました。

この二つのデッキが多いと睨んでいた僕らは、イゼットドレイクに惚れ込みました。

木原君のエスパーコントロールには負けましたし、バントネクサスも絶望的ではあったものの、下記の理由で、RPTQではその2種のデッキは少ないと睨んでいました。

エスパーコントロールは、本命のスゥルタイとの相性が悪いと感じました。以前のゴルガリであればリソースを枯らせることが容易だったのですが、《ハイドロイド混成体》がアドバンテージ勝負を可能としたのです。

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《採取+最終》と《ハイドロイド混成体》、《真夜中の死神》というドロー連合に、サイドからは《強迫》と《否認》。スゥルタイを嬉々として回す三原さんに歯が立ちませんでした。《ドミナリアの英雄、テフェリー》をプレイして打ち消しを構えて相手の盤面に何もなし、というところから何度も《ハイドロイド混成体》にまくられました。


バントネクサスはリストが洗練されておらず、スゥルタイと赤単のどちらにも弱い状態。

 

そう、イゼットドレイクはこの日最強のデッキだったのです!!

興奮してこの日の練習会は終了。しかしそこに飛び込んだのが、MOPTQの結果。
なんとイゼットドレイクがトップ8に4人という大フィーバー。

イゼットドレイクが強いデッキであることは、一瞬にして知れ渡ってしまいました。


イゼットドレイクとの別れ

ということで、僕には二つの道が残されました。

1.イゼットドレイクを使用する。
2.イゼットドレイクに強いデッキを使用する。

結果、すぐに諦めました。出る杭は打たれます。イゼットドレイクはすぐにメタられる存在となりました。白系アグロの台頭や各種デッキのサイドボードなど、イゼットドレイク包囲網は出来上がっていました。その結果勝率は見る見るうちに落ちていったのです。

それを顕著に感じたのは対スゥルタイです。《クロールの銛撃ち》に《疫病造り師》など、これまで見なかったサイドカードによってドレイクは対策されていきました。

そこでイゼットドレイクを使うのではなく、メタる側に回ろうと決めました。この時の練習ではイゼットドレイクに当たることも多く、またイゼットドレイクは新カードをほとんど採用していないため、以前からデッキを回していた人はMOPTQの結果を見てデッキを乗り換えてくるであろうことが予想できたからです。

というわけで、イゼットドレイクに強いデッキを探し、すぐに結論は出ました。

そう、少し上でも書きましたね。イゼットドレイクがきついデッキである一つ、エスパーコントロールです。

RPTQ前々日のこと、僕が晴れる屋に行った時に、井川さんがエスパーコントロールを回しているのを見て、その後翌日の調整会に誘ってみました。

井川さんは前述の通り、曲者で調整をしている身なのですが、こちらの調整会への参加を快諾してくれました。

その日の調整会では井川さんと木原君がエスパーコントロールを回し続けていました。そして赤単、ドレイクに対して強いだけでなく、対スゥルタイにも最古再誕を入れることで明確に強くなり、メタゲーム上のほとんどのデッキに勝てるようになりました。ドレイクに相性の良い白系アグロに強いのもエスパーの魅力でした。
…ネクサスだけはやはり厳しかったですが。

唯一にして最大の難点は土地が止まることと色マナ事故。マナトラブルです。

ただ、デッキパワーは非常に高いと感じたので、RPTQで使用することにしました。

 

エスパーコントロール

4《神聖なる泉》
4《湿った墓》
4《神無き祭殿》
4《氷河の城砦》
4《孤立した礼拝堂》
4《水没した地下墓地》
1《ディミーアのギルド門》
1《沼》
1《変遷の龍、クロミウム》
4《吸収》
4《ケイヤの怒り》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー》
4《思考消去》
3《喪心》
3《薬術師の眼識》
3《屈辱》
2《アズカンタの探索》
2《最古再誕》
2《ヴラスカの侮辱》
1《渇望の時》
1《否認》


サイドボード

3《正気泥棒》
3《聖堂の鐘憑き》
3《人質取り》
2《否認》
2《強迫》
1《渇望の時》
1《最古再誕》


結果は4-3ドロップ。

エスパーコントロールはきちんと色マナが出てデッキが回りさえすれば強いものの、とても事故るデッキだという印象を受けました。
3ターン目の青青白、4ターン目の白白黒黒という要求の高さに加えて、序盤にとにかく土地が止まります。キャントリップがないのが厳しく、長いラウンドでは不向きだと感じました。

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ちなみにご存知の通り井川さんはエスパーコントロールの調整を続けて見事にプロツアー準優勝、そして木原君もドラフトで苦しみながらもエスパーコントロールで好成績をあげ、見事にゴールドレベルに到達しました。
《吸収》と《ケイヤの怒り》というマナベースに負担のかかるカードをそれぞれ3枚に抑えるなど、きちんと色事故を軽減する構築を見事にしていましたね。
二人はやっぱりエスパーマスターでした!おめでとうございます!

 

原点回帰

RPTQをぼろ負けした僕は、実家に帰ってみることにしました。
実家、すなわちそれはバントネクサスです。

実はイゼットドレイクが大勝ちしたMOPTQで優勝したのはバントネクサスでした。しかもそのリストはあまりに斬新で革新的なものだったのです。
4枚の《選択》に4枚の《解任+開展》。そして《ドミナリアの英雄、テフェリー》が2枚と抑えられている。

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どこを見ても全く新しい形のバントネクサスでした。

そしてこのリストがあまりにも強かったのです。

《選択》は、《成長のらせん》経由で2ターン目に打つのが非常に強い他、2マナの行動のついでに打てたり、5ターン目に眼識と合わせて掘り進めたり、とても器用なカードでした。

《解任+開展》は、もともとフィニッシャー枠として僕は2枚入れていましたが、4枚にするという発想は全くありませんでした。
ですが使ってみて納得の強さでした。イゼットドレイクに対してはタップ能力が、実質《根の罠》のように機能しますし、赤単に対してはトークンで延命措置、エスパーは相手の《ドミナリアの英雄、テフェリー》のマイナス能力を使われたターン終了時に唱えることでテフェリーを撃ち落とせます。このシチュエーションは主に、《荒野の再生》を貼った返しでよく起きました。

バントネクサスは、チーム内のあらゆるデッキをなぎ倒しました。
スゥルタイに圧勝、エスパーコントロールにも圧勝、赤単にもメイン先手ゲー。明確に不利なマッチは青単しかありませんでした。その青単に対してもメインではまあまあ勝つことができますから、サイド後のどちらかを取り返せば良いのです。

プロツアーのメタゲームでは、スゥルタイとエスパーが特に多いだろうと僕は予想しており、であればバントネクサスは高い勝率を上げられるであろうと考えていました。青単はスゥルタイ側がサイドボーディングに枚数を割くと途端に相性が変わり、またエスパーにも厳しいため、そこまで増えることはないだろうと判断していたのです。

更にこのタイミングで、調整チームにBIG MAGICプロの松本 友樹さん(以下Aさん)と、諸藤さんのFinal Last Samuraiの両名が加入してくれたことで、バントネクサスの調整は捗りました。
Aさんと言えばバントネクサスマスター。ちなみに以前環境名人戦で僕はバントネクサスミラーでAさんに敗れています。
昨日の敵は今日の友。共にバントネクサスを調整することになったのです。

諸藤さんも、青単や白t青アグロなどといった、調整チームのメンバーが着手しなかったデッキをテストしてくれていました。
特に白t青アグロは誰も調整していなかった上にろくに練習もしておらず、アリーナやMOであまり当たることがなかったため、相性をきちんと把握しきれませんでした。なので諸藤さんの加入も非常に助かりました。

グランプリメンフィス前に集まった最後の調整会での意見交換の末、バントネクサスは以下のリストとなりました。

 

バントネクサス

4《繁殖池》
4《神聖なる泉》
4《寺院の庭》
4《内陸の湾口》
4《氷河の城砦》
3《陽花弁の木立ち》
2《オラーズカの拱門》
4《成長のらせん》
4《根の罠》
4《荒野の再生》
4《解任+開展》
4《運命のきずな》
4《選択》
3《アズカンタの探索》
3《吸収》
3《薬術師の眼識》
2《ドミナリアの英雄、テフェリー》


サイドボード
4《ハイドロイド混成体》
4《拘留代理人
3《否認》
2《押し潰す梢》
2《秋の騎士》


もともとサイドボードに置いていた《吸収》をメインに引き上げました。

バントネクサスミラー、エスパーコントロールに対してメインにカウンターを入れていることは非常に大きく、またメインでは警戒が薄れているであろうと思い、メイン採用に踏み切りました。
スゥルタイに対しても《荒野の再生》から構えることで《ビビアン・リード》をケアできますし、感触はとても良かったです。

《拘留代理人》は青単と白単に強いカードで、バントネクサスならばサイドに絶対に欲しいと感じました。

 

GPメンフィスの衝撃

さて、細部を話し合ってもう終わり。後はプロツアーを待つのみ、というところに飛び込んできたのが、GPメンフィスの結果でした。
そう、武蔵謹製のシミックネクサスが世に出たのです。

このリストの衝撃は計り知れないものでした。ほぼデッキがバントネクサスで決まりかけていたはずなのに、僕はすぐにライングループにシミックネクサスの話題を投下しました。

《エリマキ神秘家》が0枚で、《悪意ある妨害》が3枚。これがなんと素晴らしいことか。

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《荒野の再生》を貼った状態以外ではどうしても重く感じ、《薬術師の眼識》とマナ域もかぶる《エリマキ神秘家》家は、従来のシミックネクサスに4投入されていたものの、違和感しか感じませんでした。
それが3マナの打ち消しになるとどうでしょうか。単体でキープ基準になったのです。《アズカンタの探索》、《悪意ある妨害》、《薬術師の眼識》と初手にあるだけでほとんどのメイン戦を勝つことができます。

また、シミックネクサスというデッキの安定感の高さも感じました。バントネクサスではよく起きていた色事故が全くありません。長いラウンドを事故らないデッキはそれだけで価値があります。
ギルドランドによるアンタップインの多さも課題の一つでした。ここでダメージを受けすぎたために1ターン早く《根の罠》を打つハメになって負けてしまったゲームはいくつもありましたから。

とにかくメインボードで圧倒的に高い勝率を誇る、それがシミックネクサスでした。ぶん回った時の速度、デッキパワー、そして安定感。全てが他のデッキを凌駕していると感じました。
この感動的なリストに、Aさんもすぐに虜になりました。以前にもシミックネクサスを回していたAさんからフィードバックをもらいつつ、サイドボードなどを煮詰め、そしてシミックネクサスを使うことに決めました。

 

シミックネクサス

6《森》
4《島》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
4《天才の記念像》
2《シミックのギルド門》
3《ハイドロイド混成体》
4《選択》
4《成長のらせん》
4《悪意ある妨害》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
4《根の罠》
4《運命のきずな》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》


サイドボード
3《生体性軟泥》
3《押し潰す梢》
3《アゾカンの射手》
2《否認》
2《原初の呪物》
2《僧帽地帯のドルイド

 

終わりに

結局、最終的にはPT前のGPメンフィスの結果を見てデッキを選択することにしましたが、RPTQ前からのこの1ヶ月は、練習としてとても充実したものでした。
三原さんをはじめとした調整チームのメンバーは僕自身よりも上手く、また異なる考え方を持ったプレイヤーたちばかりだったので、そんな人たちとの調整は単純に面白かったし、また新たな発見や考え方もいくつも生まれました。

その結果、こうしてプロツアーをチェインしてシルバーレベルプロになれたわけですから、感無量です。
調整チームの皆さん、お疲れ様でした。本当にお世話になりました。この場でお礼を言います。

シミックネクサスのサイドボーディングやゲームプランについては後日公開予定です。

 

余談

調整チーム内でシミックネクサスを使用したのは僕とAさんだけになりました。
シミチンと三原さんはシミチンデッキ(スプラトゥーンって名前らしい)
玉田さん、諸藤さんは玉田さん謹製の赤単。
木原君は、ずっと調整し続けていたエスパーコントロール

今回はプロツアー終了後に玉田さんに「そんな(シミックネクサス)強いならもっと推してや~」と言われたので、次回調整する際はもっと僕の選択するデッキを推していこうかなと思いました。

僕、まあまあ推した気がするんですけどね!